ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

劇場

「沈澱タイ」

日本/公演中(再演)/room16(SABO作・演出) 若くして世に出た芸術家が歩む、愛と絶望の世界。名古屋の新進気鋭劇団「room16」による、あいちトリエンナーレ公募通過作品の同年再演版です。 すごく後味の悪い作品。決して外れではない、と思います。才能だとか…

「十一人の少年」

日本/公演中/劇団東京乾電池(北村想作、柄本明演出) 盲目の女と会社の演劇サークル所属劇団員の男が、結末のない戯曲の先を冒険する。北村想の岸田戯曲賞受賞作を結成40周年の「劇団東京乾電池」が上演したものです。 とりあえず名古屋で観られる喜び。時…

「轟音、つぶやくよううたう、うたう彼女は」

日本/公演中/空宙空地(関戸哲也作・演出) 流され続ける人生をおくる親子2世代の心の交流を描く。短編『ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常』および回替わり前座ステージ『割り勘』の3本立てでした。 短編向きの作家の強みを活かし、良い意味で長編とい…

「棘/スキューバ」

日本/公演中(再演)/不思議少年(大迫旭洋作・演出) 死んだ女の一生を語る長編『棘』とイルカになりたかった女の子を描いた短編『スキューバ』の2本立て。若手演出家コンクールで優秀賞を獲るなど、急上昇中の熊本の劇団「不思議少年」による再演作・全国4都…

「フカフカがーる」

日本/公演中(ソワレ/再演)/劇団「放電家族」(天野順一朗作・演出) 人生に迷う人々が「フカフカがーる」のある所に連れていってくれるという少女と出会う。名古屋の劇団「放電家族」は初観劇です。 着実にキャリアを積んでいる印象の団体、今回は再演作品と…

「いきのね」

日本/公演中/Co.山田うん(山田うん振付・演出) 愛知県三河地方伝統の祭りをモチーフにした創作舞踊。お噂はかねがねなダンスカンパニーによる「あいちトリエンナーレ」出展作品です。初観劇。 土を敷き詰めた舞台と神秘的な音楽のなかでの、シャーマンのよ…

「ルームサービス」

日本/公演中/名古屋市文化振興事業団(アレン・ボレッツ、ジョン・マレー作、はせひろいち演出) スポンサーの見つからないブロードウェイのご一行が、宿泊先のホテルからの取り立てをあの手この手で切り抜けながら、幕を開けるまでを描く。ブロードウェイ・…

「Chicken Legs」

日本/公演終了(日本初演)/Animal Religion 現代的サーカスにダンスと音楽の融合を図るユニットの初来日公演。あいちトリエンナーレ2016招致作品です。初観劇。 豊橋の吉田城址の芝生に、牧場を思わせる柵で囲われた野外円形舞台。そんな牧歌的な雰囲気の中…

「平成二十八年度 文楽 地方公演 夜の部 「近頃河原の達引」」

日本/公演中/文楽協会 誤って人を殺してしまった男を描く一幕と、そんな男を待ち続ける女とその家族を描く二幕。全国巡業公演だとか。 一幕はシリアス路線で、逆恨みされるわ、無理難題を吹っ掛けられるわ、殺されかけるわ、殺しちゃうわ。それに対して二…

「ハロウザディップ」

日本/公演中/演劇組織KIMYO(宮谷達也作・演出) 刺激を求める社会を対象とした新たな商売が、次第に過熱しテロリストを生み出していく。名古屋の劇団最新作、初観劇です。 久々に大外れを引いたなというところ。音照を駆使したド派手なパフォーマンスが売り…

「みちゆき」

日本/公演終了/地点(松原俊太郎作、三浦基演出) 寄せては返す波が届ける死者の声を聞く人々。上演を前提としたAAF戯曲賞受賞作を「地点」が上演した作品です。 映像とのコラボレーション。スクリーンに浮かぶ影はそのまま死者を連想させるとともに、人数分…

「柳家喬太郎 三遊亭白鳥 林家彦いち三人会」

日本/公演終了/名東文化小劇場 「めいとう名人会」と銘打った、公共ホール主催による真打ち3人による落語会です。春風亭昇太と4人でユニットを組むなどその筋では知った顔だとか。 2部制で演目は古典と新作入り交じりのたっぷり6本。古典は落とし噺から喬…

「愛より速く」

日本/公演中/劇団どくんご(どいの構成・演出) 1年の充電期間を経ての全国テントツアー。ツアー初頭に運搬車が大破というオマケ付きです。 待ちに待った観劇で、期待通り演劇の原風景に酔う。見世物小屋チックな様相と、モンティパイソンのスケッチを彷彿と…

「ラララララララララララララララララララララララ(ラ)イフ」

日本/公演中(初日)/赤いスリッパ企画(児玉健吾作、森大地演出) 死んだウサギのために合唱曲を作る小学校の教室の人間模様。名古屋の若手急上昇劇団「赤いスリッパ企画」による公演です。初観劇。 始まらない作品、という印象。あえての表層的な描き方なの…

「しずかなごはん」

日本/公演終了(再々演/千秋楽)/劇団ジャブジャブサーキット(はせひろいち作・演出) 摂食障害治療の病院に集まる人々の物語。劇団ジャブジャブサーキットによる30周年記念ツアー千秋楽です。 自殺した通院患者の遺したネット上の言葉を解き明かすミステリー…

「月読」

日本/公演中/名古屋山三郎一座 ヤマタノオロチを退治する男たちの姿を描いたショー。今年の4月末にOPENの、商店街の一角をリノベーションし、カブキカフェと銘打った「ナゴヤ座」での専属公演です。初観劇。 歌舞伎でもネオ歌舞伎でもなく、これはいわゆる…

「ギア」

日本/公演中(マチネ)/ART COMPLEX(オン・キャクヨウ演出) 廃業したおもちゃ工場で働き続けるロボットたちと、心宿した人形との交流を描く。日本ではまだ珍しい京都発ノンバーバルパフォーマンスのロングラン公演。 京都の新たな観光スポットとして定着しつ…

「Social Wark」

日本/公演中(初日)/VOGA(近藤和見作・演出) 維新派から派生した劇団による国宝・石清水八幡宮の境内での野外劇。初観劇です。 突然噂を聞くようになったので何かと思えば「Lowo-Tar-Voga」(ロヲ=タァル=ヴォガ)が改名していたのですね。どちらにせよ初観…

「SQUARE AREA」

日本/公演終了(マチネ/再演)/劇団壱劇屋(大熊隆太郎作・演出) 四角い空間=スクエアエリアから出られない人々。大阪から全国区へ羽ばたきはじめた若手劇団「壱劇屋」によるツアー公演です。 出入りの激しい密室、とはなんと的を得た言葉。爆音のリズムミュ…

「too fast to live,too young to die」

日本/公演中/room16(SABO作・演出) 6本の短編でおくる、お酒を呑みながら観るオムニバス。名古屋で赤丸急上昇の劇団「room16」による公演です。初観劇ですが、時間と体調不良により半分で退席してしまいました。 全作品を観れていないことを前提に。短編だ…

「パラドックス・ジャーニー」

日本/公演中/劇団あおきりみかん(鹿目由紀作・演出) 自分ではない誰かの意識と融合してしまった男たちが、愛する者のためパラドックスの向こう側を目指す。劇団あおきりみかんによる公演です。 謎解き型のロードムービー形式。こちら側の世界とあちら側の世…

「ザ・ミュージックマン」

日本/公演中(初日)/名古屋市文化振興事業団 楽譜も読めないのにも関わらず、渡り歩く町にブラスバンド隊を組織させて楽器などを売りさばく、詐欺師のセールスマンがお堅いピアノ教師と出会い、心を入れ替える。ブロードウェイミュージカルの人気作を、市民…

「思い出し未来」

日本/公演中/少年王者舘(天野天街作・演出) ひとりの少年がダメダメな自分の「未来」を思い出していく。奇才・天野天街率いる「少年王者舘」最新公演です。 酒におぼれ、博打に狂い、自殺を繰り返す、幾人もの自分自身。青い鳥を求める娘(たち)から「幸せ」…

「レミング—世界の涯まで連れてって—」

日本/公演中(再演)/パルコ(寺山修司作、松本雄吉演出) 中華料理店の見習いコックの部屋の壁が消えた先にある幻想風景。寺山修司×松本雄吉の話題作の再演版です。上演台本に「維新派」松本と「少年王者舘」天野天街が連名。天井桟敷版を以前に映像で観てい…

「キル」

日本/公演終了/44口径マグナム 野田秀樹の傑作戯曲を名古屋の劇団「44口径マグナム」が上演したものです。この団体は寡作であり、前回初観劇した際に高品質な既製戯曲上演を行っていたため、待ち望んでの公演。 作品はオリジナルに忠実な印象。全体的にク…

「乱歩からの招待状」

日本/公演中/やっとかめ文化祭(はせひろいち作・演出) 江戸川乱歩が名古屋の山荘で起こった難事件を解決する。劇団ジャブジャブサーキットがイベントの一企画として上演した、大正時代築の建物を使った観客参加型ミステリーツアーです。 実際に親交のあった…

「辻狂言「薩摩守」」

日本/公演中/やっとかめ文化祭 名古屋市が主催するイベントのなかの、日頃接点のない伝統芸能を屋外で上演する企画の一演目です。 狂言はわかりやすいので路上で観ても面白い。お金を持たない少年が、大きな川の渡し舟をタダで乗り切る方法を茶屋で聞き、…

「青のゆらぎ〜LEDキャンドル能〜」

日本/公演終了/やっとかめ文化祭 能「俊寛」と狂言「入間川」を、能楽堂の舞台に青色キャンドルを置いて見せる。名古屋市内で行われているイベントプログラムのひとつです。 流刑にあった男が恩赦から取り残される「俊寛」。青色ダイオードでのノーベル賞…

「チャットルームへようこそ」

日本/公演中/多田木亮佑のワークショップ卒業公演(鈴木純子作) 女たらしの男の部屋に訳あり女が転がり込んできたことで、男は普段の生活態度を見つめ直す。WSの卒業発表だとか、初観劇。 作品はわかりやすいキャラクター芝居の恋愛話。インターネット上の…

「カルミナ・ブラーナ」

日本/公演終了/ゆかりバレエ バレエ公演は初観劇です。 シンプルな衣装と美術で大ホールという空間を埋めてしまう身体表現には驚きますが、かねてからの疑問であった「あえて声を使わない」ことへの答えは見出せませんでした。ただ、歌謡曲とのコラボ企画…