ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

鬼平犯科帳

鬼平犯科帳 劇場版 [DVD]
日本/’95年製作/小野田嘉幹監督


江戸の「鬼平」こと火付盗賊改役・長谷川平蔵の活躍を描く。池波正太郎の人気小説を原作としたテレビシリーズの映画版です。
つまりは日本の保安官もの。常に正義で、豪胆で、優しく、強い。作品自体は1時間ドラマを2本ざっくり繋げたような構成で、前半が諜報活動を担う部下の恋愛模様、後半が鬼平の過去と家族の物語といったところ。映画である必要性はあまり感じず、テレビ版を観ていないからか登場人物に感情移入もしきれず、中途半端な後味になってしまいました。
風格ありお茶目でもある中村吉右衛門

笑の大学

笑の大学 舞台版
日本/’96年公演/パルコ(三谷幸喜作、山田和也演出)


太平洋戦争の最中、浅草で軽演劇活動を行う座付き作家と検閲官との攻防を描く。以前に再演版を観ているも初演版は初見です。
14年前に観たときよりも粗削りな印象だったのですが、上演年に違いがあったので納得しました。絶妙な台詞のチョイスと、操る役者の技術と演出の手腕たるや。作家本人は否定していますが「喜劇への決意表明」と評されたストーリーは何度観ても心を打つし、そして面白い。すべての表現者の背中を押してくれる作品なんだと思います。
西村雅彦(現・西村まさ彦)と近藤芳正、アテ書きとはいえ文句の付けようのないハマリ役。

スターリンの葬送狂騒曲

スターリンの葬送狂騒曲 [DVD]
英・加・仏・ベルギー/’17年製作/アーマンド・イアヌッチ監督


ソ連の指導者スターリンの死去に伴う中枢組織の権力闘争。
歴史の変わり目をコメディタッチに描くも、謀略と粛清の嵐で気楽に笑えない。ハタからみると同じ穴の狢で滑稽だったなということなんでしょうけれど、ヘリウムガスのような軽さで人の命が消えていくのは観ていて辛いものがあります。ところで、こういう作品は自国が作成すべきだと思う、できないだろうけど。
スティーヴ・ブシェミ

天国は待ってくれる

天国は待ってくれる [DVD]
米/’43年製作/エルンスト・ルビッチ監督


女遊びが好きだった紳士が地獄の入り口で自らの人生を振り返る。
ウィットに富んでお洒落なロマンチック・コメディ。どことなく舞台劇のような印象。憎たらしいのに憎めない男はいつまでも少年のようだからかしら。彼の一族はみんな少年のままで微笑ましい。一方、日々変わっていく女は、最期になればなるほど美しくなる。この家族は、きっと天国でも賑やかに暮らすんだろうなと想像するだけで楽しくなる良い映画でした。
ドン・アメチージーン・ティアニー

ニノチカ

ニノチカ(字幕版)
米/’39年製作/エルンスト・ルビッチ監督


パリを舞台に、資本主義者と社会主義者が恋に落ちる。
どこまでおふざけでどこから真剣なのかわからない、とにかくウィットに富んだ物語。時代を反映して設定に活かしているけれど、そこで描かれているのはもはやスラップスティック・コメディでした。鉄の女だったニノチカが可愛らしく笑うギャップに萌え、呆れ果てるほどのダメダメ3人組に抱腹絶倒する。現代に観ても遜色のないエンターテインメント作品です。
グレタ・ガルボとメルヴィン・ダグラス。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

超時空要塞マクロス ~愛・おぼえていますか~ [DVD]
日本/’84年製作/石黒昇河森正治監督


宇宙船で暮らす人類と異星人の戦争のなかで、軍人とアイドルが織りなす恋愛模様。現在に続くマクロスシリーズの劇場版1作目です。
一曲の歌(文化)が世界を救うという壮大な設定と、メロドラマな三角関係、そしてド派手なロボット戦闘シーン。男性優位の描写が気になれどそれも一つの時代であるとしつつ、この作品が描こうとした志したるや現在でも遜色ないものです。特に、加藤和彦安井かずみのコンビによるテーマ曲が抜群に良く、アニソンというジャンルを超えて耳に残ります。
アイドル役に歌手の飯島真理、軍人役に長谷有洋、もう一人のヒロイン役に土井美加