ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

竜馬の妻とその夫と愛人~と、歌使いの唄~

日本/’12年公演(再々演)/劇団東京ヴォートヴィルショー(三谷幸喜作、山田和也演出)


荒んだ生活を送る女とその周囲の人々の言動を通して坂本龍馬の存在の大きさが浮かび上がる。劇団東京ヴォートヴィルショーに三谷幸喜が書き下ろし映画化もされた作品です。
今日では歴史上の人物が息づく当時を虚実織り交ぜて切り取り、喪失感というかたちのないものをくっきりと描き出す。この作品は演劇という明確なフィクションが現実を超える良き事例と思えてなりません。皆がその影を追い求める偉大な志士は、その後歴史から一度姿を消し、再度脚光を浴びる。そんなこと関係なく、生きていたんだなあと思えるのが楽しい。
綾田俊樹が絶品、初演から唯一キャスト換えだったのにハマリ役としか思えず。佐藤B作、あめくみちこ佐渡稔も良き。

時空の旅人

時空の旅人 [DVD]
日本/’86年製作/真崎守監督


平凡な高校生たちが未来から来た男と過去へタイムスリップする。眉村卓の小説のアニメ映画化です。製作はマッドハウス
高度に管理された未来社会から逃げ出した青年。誰の何を信じるべきなのか、二転三転する中で揺らいでいく構成の妙。幸せとは自らで考えて選ぶものという明確なメッセージを受け取りました。巻き込まれた現代人があまり有機的に絡んでこれないのが気になるところですが、往年の角川映画として納得の中途半端な面白さをもった映画でした。
片言だったのがだんだん滑らかになっていく主人公の声に戸田恵子

漁港の肉子ちゃん

漁港の肉子ちゃん (通常版)(特典:なし)[DVD]
日本/’21年製作/渡辺歩監督


波乱万丈な人生を送ってきた親子が流れ着いた漁港での交流を描く。西加奈子の同名小説を明石家さんまプロデュースによりアニメ映画化した作品です。
製作をstudio4℃、監督が短編ドラえもんの渡辺ということで少し期待していたものの、いまいち乗り切れず。自己肯定感の低い難しい年頃の女の子が少し前を向く話なんだろうと感じつつも、その決め手となる周囲の人との交わりがすんなりと入ってこなかった。アニメーションよりも実写にした方が良かったのではと思ってしまいました。
母親役の大竹しのぶは認識していてもそうとは聞こえず役者だなあと感心。