ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「棘/スキューバ」


日本/公演中(再演)/不思議少年(大迫旭洋作・演出)


死んだ女の一生を語る長編『棘』とイルカになりたかった女の子を描いた短編『スキューバ』の2本立て。若手演出家コンクールで優秀賞を獲るなど、急上昇中の熊本の劇団「不思議少年」による再演作・全国4都市ツアー、初観劇です。
両作ともいたってシンプルな作品ながら、看板女優の演技と独特の音楽チョイスで、とにかく魅せる。特に音楽については、どこの国かわからない主張激しめの曲を用いながら、なかば強引に台詞を乗せつつ、それでいて世界を崩さない。否、それで世界を構築しているという点が一番印象的でした。説明台詞がほとんどないのも良い。作品としては『棘』よりも『スキューバ』の方が好み。
森岡光は前評判どおり、確かに逸材でした。どの年齢層でも、どの容姿でも、どのジャンルでも、演じ分ける。