ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ルームサービス」


日本/公演中/名古屋市文化振興事業団(アレン・ボレッツ、ジョン・マレー作、はせひろいち演出)


スポンサーの見つからないブロードウェイのご一行が、宿泊先のホテルからの取り立てをあの手この手で切り抜けながら、幕を開けるまでを描く。ブロードウェイ・ミュージカル作品を「劇団ジャブジャブサーキット」のはせひろいちが演出した作品です。
赤毛モノのわかりやすいドタバタ喜劇。なのに、なぜはせひろいちに演出を依頼したのか理解に苦しみます。戯曲がそもそも持っているであろうドラマのドライブ感はまったく無く、役者たちは喜劇の演技をしない。日本人に馴染みのないブロードウェイのバックステージものなのだから、もっと美術含めて説明的であってもよかった。残念ながら、戯曲・演出家・役者それぞれに不幸な作品だったと思います。
主役のティナ棚橋は孤軍奮闘、鼻につくオーバーアクションでかき回す。逆に宮谷達也は正攻法を外して、はせ演出側に立ち、うまく着地させた。