ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

劇場

「誕生(初生)」

台湾/公演終了/Flying Group Theatre 夢で見た鯨のお腹の中で見つけたたまごを巡る物語。台湾の劇団の親子向けのお芝居、初観劇です。 人形と投射、そして生演奏。大筋説明以外はほぼ台湾語で、ニュアンスだけで楽しむのはちょっと辛かったのですが、子供…

「大きな声がうるさい」

日本/公演終了/演劇EXPO2018(玉井江吏香作、泉寛介演出) 田舎の畑の用地買収をきっかけに集まった家族の物語。大阪で開催されている演劇EXPOの公募企画「あんたの戯曲上演させてくれへん」の1演目です。作は愛媛の「Unitout」の玉井江吏香、演出は「baghd…

「非公式な恋人」

日本/公演終了/演劇EXPO2018(綾門優季作、坂本隆太朗演出) 女性専用都市となった東京に入ろうとする男。大阪で開催されている演劇EXPOの公募企画「あんたの戯曲上演させてくれへん」の1演目です。作は東京の「青年団リンク・キュイ」の綾門優季、演出は元…

「モノロオグ」

日本/公演終了/長久手文化の家(岸田國士作、藤島えり子演出) 別れの挨拶もなくいなくなった愛する人の部屋を訪れた女の独り言。文化施設のロビーにての無料上演です。 出逢いから現在までを脈絡なく垂れ流す45分程度の一人芝居。公共空間のフリースペー…

「Kokoro」

日本/公演中(マチネ)/べろべろガンキュウ女(小山都市雄作・演出) 夏目漱石の小説「こころ」を題材に、不器用に歪んだ恋愛の形を描く。今回で解散するという関西の若手劇団、初観劇。 冒頭の再現劇が長尺で、そこから自由な発想への扉を開くときには身体はお…

「search and destroy」

日本/公演中(ソワレ)/うんなま(繁澤邦明作・演出) 単語を印字した紙に囲まれた舞台で、情報社会そのものを演劇化した作品。劇団うんこなまず改め「うんなま」となった関西の劇団、久々の観劇です。 長く観ていなかったので変遷はわかりませんが、うんなまの…

「人工恋愛双曲線」

日本/公演中(マチネ)/少年王者舘(天野天街作・演出) 縁あって2度目の観劇。 感想は先日の日記参照(→id:totte:20171104)。

「人工恋愛双曲線」

日本/公演中(ソワレ)/少年王者舘(天野天街作・演出) 江戸川乱歩の師匠筋と呼ばれる作家・小酒井不木の生涯と作品世界が入り混じる。行政主催イベント「やっとかめ文化祭」と「少年王者舘」が共同製作した作品です。 ほとんど知られていない作家をしっか…

「こころ 先生の遺書」

日本/公演終了/ナゴヤ路上劇研究会(夏目漱石原作、葱玉悠翻案) 夏目漱石による小説「こころ」を野外劇として上演した作品です。初観劇。 路上劇を標榜するからに、セットも仕込み機材も何もなく、ただただ路上にあらわれるスタイル。ジャンルとしては朗…

「それからの街」

日本/公演中/愛知県芸術劇場(額田大志作、鳴海康平演出) 「ヌトミック」額田大志によるAAF戯曲賞受賞作を、審査員でもある「第七劇場」の鳴海康平が演出した作品です。 音楽的な作品と呼ばれる額田戯曲を観るのははじめてですが、その特徴を封印するかの…

「私のペットは食用牛」

日本/公演中(ソワレ/再演)/劇団蒼天の猫標識(いば正人作・演出) ペットとして牛が流通するパラレルワールドで、ペットショップに牛を買いに来た女の物語。名古屋の劇団、初観劇。 常識を静かに揺さぶってくる。我々が認識しているペットとは何か。仮…

「女の子は基本的にイケメンが好き。」

日本/公演中/野坊主(青山和樹作・演出) モテたい男たちの居酒屋トーク。「野坊主」初観劇です。 どうでもいい与太話をこれといって捻りなくみせる。だから、劇場ごと居酒屋にして観客を力ずくで引きずり込むという発想は悪くない。この作品は観客との間…

「アナウメ」

日本/公演中(初日)/廃墟文藝部(後藤章大作・演出) 妻に空いた穴を埋める男の話。「廃墟文藝部」の長編は初観劇です。 暗く静かな寓話。男が女の空いた穴を埋めたがるのは古事記の頃からの習慣なのかしら。でも何かしらの穴はみんな空いているんだろうな…

「今、心が折れない為の俺のやり方」

日本/公演終了(マチネ)/crashrush(石神禿作・演出)戦隊ヒーローものの作家の前に作品の登場人物があらわれ、心残りだったことを成し遂げていく。初観劇です。 徹頭徹尾キャラメルボックス風味で、ウジウジした男がありえない体験に背中を押されるスト…

「ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと―」

日本/公演中(ソワレ)/マームとジプシー(藤田貴大作・演出) 食卓を囲む日常と移り行く時間。10周年記念として、過去の短編などを再構築した作品だとか。 生まれ育った家は、みんなが"帰ってくる"ための大切な場所だった。親の死、取り壊される実家。経…

「色即是空で無様なお前」

日本/公演中(ソワレ)/なんだかんだクレイジー(TERU作・演出) 戦後すぐのドサクサにまぎれ、奇妙な因習の残る村を訪れた女衒の物語。初観劇。 語られる言葉が薄く、まず設定が見えてこない。そこには飢えも苦しみも快楽も情欲も生死の境もない。劇場の…

「シアンガーデン」

日本/公演中(ソワレ)/少年王者舘(虎馬鯨作、天野天街演出) 古い共同アパートの住人の話を軸に、各部屋の境目があやふやになっていく。劇作が天野天街ではない最新作です。 少年王者舘らしさはふんだんだし、もはや魔法のような役者出現には毎度感嘆す…

「サマータイムマシン・ブルース」

日本/公演中(マチネ)/妄烈キネマレコード(上田誠作、西尾武演出) 粗筋は過去の日記からどうぞ*1。「タイムマシン、無駄遣い」な傑作戯曲を名古屋の「妄烈キネマレコード」が上演したものです。 どうしようもなく暇な時間をもてあそぶモラトリアム期の…

「月読み右近の副業」

日本/公演中(ソワレ)/劇団ジャブジャブサーキット(はせひろいち作・演出) メディアで活躍したあと隠遁生活をおくる占い師とそのもとに集まる人々。岐阜の劇団「ジャブジャブサーキット」最新作です。 SF風味のミステリーもの。ジャブジャブサーキット観…

「りゅう君のベイビー産んじゃってゴメンね…。​でもうちアンタのことメッチャ好っきゃねん。」

日本/公演中(初日)/がっかりアバター(坂本隆太朗作・演出) 関西小劇場で活動する劇作家が、座組の女優に手を出しながら劇作と対峙する。関西若手「がっかりアバター」初観劇です。 古事記やギリシャ悲劇から脈々と連なる演劇へのオマージュ。劇作=創造…

「野菜、キッチン、おとう」

日本/公演終了(千秋楽/再演)/劇団わに社(鰐塚わに作、林優演出) 夜逃げして田舎で農業に励む家族の隠された関係を描く。名古屋の劇団「わに社」によるダブルキャスト公演です、初観劇。 軸がいくつもあり、メインはマイルドヤンキーな娘なのか、ぶっ…

「あ、カッコンの竹」

日本/公演中(初日)/コトリ会議(山本正典作・演出) 山姥が出ると噂される竹林に迷い込んだ人々の群像劇。関西の劇団「コトリ会議」の全国ツアー公演です。初観劇。 かぐや姫の物語に代表されるように、竹という植物には不思議と生にかかるエネルギーが感…

「うちやまつり」

日本/公演中(初日)/オイスターズ(深津篤史作、平塚直隆演出) 連続バラバラ殺人のあった団地に住む人々の、とある元旦の1日を描く。名古屋の劇団「オイスターズ」が、若くしてこの世を去った劇作家・深津篤史を悼む「深津演劇祭」に参加した作品です。…

「胎内」

日本/公演終了(マチネ)/刈馬演劇設計社(三好十郎作、刈馬カオス演出) 戦後の日本、脆くじめじめとした穴に閉じ込められた3人の男女の人間模様。再評価の進む三好十郎戯曲を、名古屋の劇団が上演したものです。 閉塞感は凄まじく、観客席まで息苦しい。ただ…

「てんとてんを、むすぶせん。からなる、立体。そのなかに、つまっている、いくつもの。ことなった、世界。および、ひかりについて。」

日本/公演中(再演/マチネ)/マームとジプシー(藤田貴大作・演出) 小さなまちで起きた事件に感化された家出少女と、同級生たちの物語。ゼロ年代の旗手、やっと初観劇。 藤田版スタンドバイミーのような。個人が「点」として存在しながら、それが線でつながる…

「四色定理」

日本/公演中(初日)/廃墟文藝部(後藤章大作・演出) 短編集と銘打った、劇団お蔵出しの四作品上演企画。名古屋の劇団「廃墟文藝部」は初観劇です。 4人の女優が織りなす「私」のお話。感情ごとに色分けされて「私」のことを語る「私」たちは、まるで自己肯定…

「白馬亭にて」

日本/公演中(マチネ)/名古屋市文化振興事業団 湖畔のホテルに雇われたボーイ長が女主人に恋をしたことから巻き起こる喜劇。オーディションで選ばれた役者により生オケとともに上演する、年に一度の大型事業です。 今年は日本ではあまりかからないオペレッ…

「星降る地中に<竜>は棲まう」

日本/公演中(マチネ)/sputnik.(土屋甫作、鈴木径一郎演出) 強大な力をもつといわれる「竜」と、地中の結界の外から監視する人間との交流を描く。初観劇。 王道をいくファンタジー作品が、カフェスロー大阪というイベントスペースの規模で、この空間で観る…

「生きてんだか死んでんだか」

日本/公演中/劇団不労社(西田悠哉作・演出) 大学サークルOBたちが開いた呑み会で起こる超常現象の数々。阪大系の若手劇団、初観劇です。 KERAっぽいなとまず思ったのは、あまり学生演劇であの作風を観なかったからかもしれません。もちろん作品全体がそうだ…

「出雲の阿国〜いざや傾かん〜」

日本/公演中(ソワレ)/公益社団法人日本劇団協議会(ふじたあさや作、木村繁演出) 歌舞伎おどりの始祖・出雲阿国の半生を描く。名古屋能楽堂で上演されたストレートプレイ作品です。 歴史の教科書で名前をチラ見したくらいの出雲阿国。彼女が家康の庇護を受…