ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「あの大鴉、さえも」

日本/'16年公演/RooTS(竹内銃一郎作、ノゾエ征爾上演台本、小野寺修二演出)


大きなガラスを運ぶ3人の男の不条理劇。現代戯曲を気鋭の演出家が再構築する東京芸術劇場による企画の4作目で、「カンパニーデラシネラ」の小野寺修二が演出した作品です。
"見えない"ガラスを板・紐・光など駆使して視覚化しつつ、それを3人で持っているはずなのに身体は離れた距離にあるなど、抽象度を上げる演出。さらに時節差し込まれるマイム・パフォーマンスが小野寺たらしめる。役者も美術も音照も刺激的なのですが、どうも睡魔に襲われ続けてしまいました。映像のカット割ではなく、もっと自由な感性で舞台を観ていたかった、劇場で観るべき作品だったのだと思います。
小林聡美片桐はいり、藤田桃子。女優が演じた意図はよくわかりませんでしたが、全身で魅せてくれる布陣でした。