ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ぬけがら」


日本/公演終了/劇団B級遊撃隊プロデュース(佃典彦作・演出)


脱皮を繰り返し若返っていく父親と向き合いながら自分の生き方を見つめなおす男の一週間の物語。以前文学座に書き下ろした岸田國士戯曲賞受賞作を佃本人が初演出した作品です。本作を翻訳上演し数々の賞を受けた香港の劇団との交互上演だとのこと。
観るのは初めてですが前情報からハードルは高く。結論、それを軽く越えてくれて大満足しています。発想の奇抜さは勿論のこと、「親」って何だろうという視点が興味深い。10代、20代と歳を重ねていく自分はそれぞれで環境が変わり考え方が変わるという意味で違う自分であり、子が親として認識している期間もそれほど長くないのかと思うと少し不思議な感覚を受けます。いやあ面白かった。
主役・平塚直隆のうじうじ加減は役とはいえ腹が立つ。楽しめたのは6人の父親が魅力的だったことが大きかったです。