ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「パブリックイメージリミテッド」


日本/公演終了/愛知県文化振興事業団(萩原雄太作、平塚直隆演出)


2011年2月10日の新宿駅東南口にいた男と女の5分間を切り取る。「かもめマシーン」萩原雄太によるAAF戯曲賞受賞作を「オイスターズ」平塚直隆が演出した作品です、WキャストのBチーム版を観劇。AAF受賞作上演の観劇は去年に引き続き2度目。
「共有できる心象風景の限界」という題名。「当事者」ではないものに思いを馳せることはかくもひんやりしたものなのか。舞台上で個人は特定されず、映像の投影が客観を更に増幅させる。すべてが、他人事なんだなと。途中でサッと3.11を遠くから眺めていた自分自身が脳裏をかすめ、それがこの芝居の秘めた心象風景なのかしら。しかしそれよりも岡田利規がどうしてもチラつくのだけはどうにかしてほしい。
林真也の佇まいは戯曲に最も寄り添っていたように見えました。魅力的。