ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「豆」


日本/公演中/愛知県文化振興事業団プロデュース(平塚直隆作、ごまのはえ演出)


一冊のノートが結ぶ奇妙なシェアハウス。名古屋の劇団「オイスターズ」平塚による第12回AAF戯曲賞受賞作について、京都の「ニットキャップシアター」ごまのはえを演出に迎えて上演するお披露目公演です。平塚作品初観劇。
きっと元々はSFモノであったであろう戯曲を不条理劇として仕上げた、ということかしら。自分の場所が侵食されていく過程は安部公房『友達』を彷彿とさせ。リアルタイムに繋がれる現代だからこそ交換ノートという非効率的なアイテムの異質さが際立ち、「時間」が実は不確かなものであったことを浮き立たせる。コロス隊がキュートでポップでそちらを眺めているだけでも楽しい。
流されるがままに家を奪われていく木村庄之助が反則的に可愛い。あの年で青年役というだけで。