ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「一千戯曲」


日本/公演終了(ソワレ)/私見感(黒井エミ作、緑川岳良演出)


先の大震災と先の戦争とを膨大なピースを並べて描く。昨年ウイングカップ最優秀賞を受賞し一挙注目株となった劇団「私見感」による新作です。初観劇。
劇場中に散りばめられた丸椅子の客席の間を役者が動き回る演出。「戦争を知らない子供たち」が還暦を迎えた現在、なぜ今戦争なのかという疑問がまず残りました。そのうえで、では震災の描き方はそれなのか、とも。チェルフィッチュ岡田利規は『三月の5日間』でイラク戦争と現代を的確に切り取りましたが、では現役大学生だという若い黒井エミの真意は果たして描けていたのかしら。
役者はみな声がよく安定していて良し。先生や上官役のまつながが特に気に入った。