ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「天才脚本家」


日本/上演終了/大阪市立大学劇団カオス(後藤ひろひと作、藍染メリー演出)


国家機密を人々の記憶から消す男と嘘を作り出す人気TVディレクター、二人の"天才脚本家"が一つの事件で出会う。後藤ひろひとの「G2プロデュース」書き下ろし作品を学生演劇で上演したものです。
陰謀論好きにはたまらないでしょうね。天才が組んだシナリオを別の天才が想像力で追いかける、その追走劇は見事。電通、群馬、大商大といった固有名詞弄りの筆も冴え渡っています。お約束の不必要キャラ芝居シーンも満載で、ここも良い意味でも悪い意味でも後藤らしい。緩慢な演出は大いにこの"天才脚本家"に助けられたかと。音響の向上と、舞台によるカット割意識が切に望まれる公演でした。
役者。卒業公演ということで相変わらずの最上回生は置いといて。主役二人の魅力が乏しかったのが残念でした。「天才」たる片鱗が見えてこず。脚本家が脚本に喰われてちゃダメですね。