ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ガス人間第1号」

日本/'09年公演/後藤ひろひと作・演出


ある事件のために舞台で歌うことのできなくなった歌手を救うため人を殺し続けるガス人間の哀しい恋を描く。'60年に製作された特撮映画『ガス人間第1号』(未見)を後藤ひろひとが舞台化した作品です。ちなみにクレジットは「木村武:原作映画脚本、後藤ひろひと:上演台本/演出」となっています。
闇で陰謀が動いていたのを匂わしながら、ガス人間と歌手との純愛にのみ焦点を当てようとしたのはさすが後藤。ただまだ少しこの舞台に蛇足な部分が残っていたかと。マッドサイエンティスト的なシーンは全カットするか、もう少し本筋にキッチリ絡めるかして欲しかったですね。そしてそして、何より場転が長過ぎます。回転舞台にした意味はあったのでしょうか。せっかく芝居部分のテンポはいいのに勿体なかったです。
中村中のナマ声は有り、ですが暗いのが欠点。内容にマッチしてはいたけど、少ししんどい。高橋一生笑い男に見えてしょうがなかったです。まあ、伊原剛志がかっこよかったからいいや。