ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ダブリンの鐘つきカビ人間」


日本/公演終了(マチネ)/京都大学劇団ケッペキ(後藤ひろひと作、長谷部雄一演出)


奇妙な病気に侵された街の人々と鐘つきカビ人間の哀しい物語。後藤ひろひとの傑作を京大の学生劇団「劇団ケッペキ」が上演したものです。ケッペキは初観劇。
まずその発想。口から出る言葉は全て真逆の意味になってしまう少女がカビ人間に言う「あなたはステキ」という言葉。そして想いを寄せるようになってからの「死んじまえ」。とても哀しくとても美しいのに、それを笑いの中にまぶしてしまうのには驚きました。こんな童話があったのか、と。ネタも多分オリジナル同様に盛り込まれていたのでしょうが、キャラが全体的に薄味で物足りなさを感じました。あと声が届かないことと一台詞ずつが間延びしていたことが欠点。舞台美術は非常に美しかったです。
オリジナル版を観たくなりました。市長役の内山航がかっこいい。