ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「農業少女」

日本/'10年公演/東京芸術劇場(野田秀樹作、松尾スズキ演出)


NODA・MAP番外公演作品を、野田秀樹が芸術監督を務める東京芸術劇場のプロデュースで、初演では出演者だった「大人計画」の松尾スズキが野田作品初演出した話題作です。NODA・MAP版の感想はこちら(→id:totte:20090520)。
野田の世界を強引に松尾側に引きずり込んだ印象。強引とはいえ引きずり込めている時点でやはり松尾スズキには力があるんだということなんでしょう。ただ作品としてオリジナルを越える気は更々無さそうで、とにかく野田の手のひらの上で目一杯遊んでいる感じがしました。しかしそれで構わないのでは。今回のメインはなんといっても現代日本小演劇作品を別の人気演出家が上演するという企画自体だったといえるのですから。こういう機会が増えたらいいのに。
吹越満の後ろにはオリジナルの松尾スズキの影が垣間見えるのですが、山崎一はオリジナル野田秀樹を払拭していたように思います。