「ひもの男」
恋愛にオクテな大学生が、たまり場となった下宿でサークルの仲間たちと繰り広げる等身大恋愛トーク。はやくも活動休止な名古屋の若手「劇団やみつきわさび」による公演です。初観劇。
演出が本当にうまい。ノリだけの学生の日常会話をただ見せられているだけでなんの変哲も無い話、だけど観れるのですから。暗転のキレもいいし、アドリブっぽい台詞も確実に削ぎ落とされていて聞き苦しくない。美術も素晴らしく、全体のクオリティはかなり高いかと。ただ、秀でた「色」が無いんです。恋愛にオクテ=「干物」を描くのだって既に前例があるし、かといって若者側からの主張もなくて目新しさは皆無。つまりどこかで観たことがあるよねっていう。休止らしいんで特に言ってもしょうがないんですけど、惜しいな。
チャラ男役の内山ネコが安定していて良い。決してイケメンじゃないのに確かにあれはモテるんだろうなという気がします。