ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「人間風車」

日本/'00年公演/パルコ・リコモーション(後藤ひろひと作、G2演出)


売れない童話作家が語るホラーでファンタジーなおとぎ話。再演もなされている人気作で、後藤ひろひとの代表作のひとつでもあります。
メルヘンな物語かと思いきや突然のホラー展開にビックリ、でも最後は切なく美しく終わる。メルヘンチックな舞台美術が非常に活きていてステキでした。現実とファンタジーが至極自然に移り変わり観客の頭が交錯していく、それと同時に登場人物の頭でも交錯していく、その脚本構成力と演出構成力。ラストシーン、童話の登場人物となった役者たちがそれぞれの場所に立つ場面が絵本の最後のページみたいで好きです。
何より役者が良い芝居でした。生瀬勝久は素朴な演技もうまいのです。また升毅竹下宏太郎といったG2・後藤舞台のお馴染み役者に、大倉孝二阿部サダヲ八嶋智人・大谷亮介ら所属劇団の看板俳優を並べたてた豪華キャストも、それぞれ自分の仕事をキッチリこなしており眼福モノ。斉藤由貴も良し。役者の魅力がふんだんに詰まった舞台でした。