ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「カメレオンズ・リップ」

日本/'04年公演/ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出


ひとつの家に集まる嘘をつかなければ生きていけない人間たちの物語。ケラが豪華役者陣でシアターコクーンに登場した作品です。
ケラらしいというか何というか。結局みんな死んじゃうのね。みんなが他人を騙しながら生きている、それはカメレオンのようにコロコロと変わりながらも。笑いは今まで観た中でもかなりキレがよかったです。役者がいいのか、堤真一生瀬勝久そして犬山イヌコの笑いの安定感。ケラ作品を観るといつも思うのですが、あれだけシリアスな話がこれだけの笑いに包まれながら進行することができるなんて。それがケラの才能なんですよね。
舞台のセットの精巧さは必見。舞台上に西洋風の家とお庭が再現されており、何とホンモノの雨が降る。舞台美術は蜷川幸雄の美術もやってる中越司。あの舞台を観ているだけで幸せになれます。