ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「2人の夫とわたしの事情」

日本/'10年公演/シス・カンパニー(サマセット・モーム作、ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出)


天衣無縫で傍若無人で身勝手で、でも献身的だと思い込んでる妻と結婚した「2人」の夫の奇妙な生活を描くコメディ。KERAによる翻訳劇です。
こういう役者の演技の巧さで笑わせる芝居はすごいなあといつも思います。微妙な間のずらしや表情や動作の変化、台詞の言い方ひとつで笑いってできあがるのですね。美しい妻をもつのはひとつの男の理想ですが、「美しすぎるのも罪」。それでも、いくら不満が溜まっていっても結局は「いい女だったな」と笑い合える夫はある意味本当に幸せだったのでしょう。シニカルだけど嫌味のない後味でカラリ楽しかったです。
松たか子はいつも通りすぎて。それよりも段田安則渡辺徹の掛け合いが好きです。