ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

日本/’21年上演/ティーファクトリー(川村毅作・演出)


死刑制度の前で、悩みぬく者たちの姿を描く。2012年に白井晃演出で初演され、その後様々なかたちで上演されてきた作品を川村毅自身が初演出したものです。
詳細は語られずとも、犯罪被害者たちのセラピーを連想させる空間。裁判員法務大臣、刑務官、そして死刑囚の4人の役に成りきりモノローグを重ねることで、人が人を殺すことの意味を考えていく。重いテーマであり、簡単に結論づけたりはできないのは当然だが、漠然と「制度」という背景にいるそれぞれの葛藤に光を当てている点で非常に意義深い作品だと思います。
F役の今井朋彦が抜群に良い。