ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「黒塚」


日本/公演中/木ノ下歌舞伎(杉原邦生作・演出)


安達ケ原の鬼女伝説を描いた「黒塚」を、新しい歌舞伎の形を模索する京都の劇団「木ノ下歌舞伎」が上演したものです。昨年度のCoRich!演劇大賞受賞作の再演ツアーで、木ノ下歌舞伎も初観劇。
能や歌舞伎の人気演目をポップにアレンジ。歌舞伎調の型と言い回しを駆使しつつ、それを歌やダンスと捉え再構築する。伝統芸能を「伝統」でも「芸能」でもなく「現代演劇」に取り込んでいくアプローチは確かに面白い。ただ今作について、想定を超えてはくれませんでした。平台や馬足むき出しの装置からまるで稽古見学に来たかのような印象を受けたのは劇場が作品に合っていなかったからもあります。
老女岩手役武谷公雄、鬼女にもっと呑まれたい。