ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「野田版 研辰の討たれ」

歌舞伎名作撰 野田版 研辰の討たれ [DVD]
日本/'05年公演(再演)/松竹(野田秀樹作・演出)


町人あがりの武士がひょんなことから仇となってしまいあの手この手で仇討ちから逃げ回る。木村錦花作、平田兼三郎脚色の歌舞伎作品をもとに、小劇場出身の野田秀樹が初めて歌舞伎を手がけた朝日舞台芸術賞受賞作品の再演です。「シネマ歌舞伎」と銘打った映画版にて観劇。
これは歌舞伎役者による小劇場演劇だ。野田の筆も演出も及第点レベルだけど、歌舞伎でネックの場転処理はお見事。歌舞伎にこれほどの可能性があるとは。大御所中堅若手入り混じってのやりたい放題やらせたい放題、やってる側がとにかく楽しそうだから観てる側も野放図に楽しい。当時の時事ネタから仇討ちを欲しているのは世間だというキツい批評付きで大満足でした。
主演中村勘三郎、舞台を右に左に七転八倒、天晴れ。