ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「透視図」


日本/公演中/維新派(松本雄吉作・演出)


梅田のビル群と河川を借景し水都大阪の街を透視する。維新派10年ぶりの大阪野外公演だとか。
人の記憶がそのまま街の記憶へ。たくさんの人や物や言葉が繰り返しのごとく通り過ぎ、記憶もまた曖昧になっていく。しかし松本にとって我が町「大阪」だけは色褪せることがないのでしょう。それは街自体が生きているからであり、まるでそれに呼応するかのような表情をみせる夜景に観客各々が自分の源流となる街を投影しているような気がします。背後の川と同化していく舞台にため息。
あれで生台詞に生演奏とか。照明がまた美しい。