ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「抜目のない未亡人」

日本/'14年公演/シス・カンパニー(カルロ・ゴルドーニ原作、三谷幸喜上演台本・演出)


かつて絶世の美女であった国際的女優が10年振りの復帰作を選ぶべく、ヴェネチア映画祭に集まった2流映画監督からの申し出に頭を悩ませる。イタリアの喜劇作家ゴルドーニの同名戯曲を骨子残して三谷幸喜が現代に置き換えて上演したものです。
豪華キャストをやりたい放題やらせたい放題。こういう毒にも薬にもならない能天気喜劇もいいですね。婚活物語を映画業界に当てはめたのは良策。女主人公を皆が我先にと欲しがることも、各国の人間が一同に集うことも、それぞれの本心を探るひと芝居も、設定と理由付けに無理が無い。「抜目のない」との表現は少し違うようには思いますが。
八嶋智人が三谷作品『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』と全く同じ役回り、でも彼がいてこその芝居でした。大竹しのぶは必ず違和感から始まり何故か打ち消す。岡本健一中川晃教といった三谷組ではない役者も楽しそうでした。