「素晴らしき哉、人生!」
米/'46年製作/フランク・キャプラ監督
大きな夢をもつ男が片田舎に縛られながら生きる自分の人生の素晴らしさにだんだんと気づいていく。
やりたいことがありそれをやれる実力がありそのチャンスもあるのに諦めざるをえないというのはなんという運命のいたずらかしら。でもそういうケースは身近でも時折あったりして。美人の妻をめとり可愛い子供に恵まれ生活にも困らず他人からみれば羨ましい生活なんだけれど、それをどう思うのかは結局本人にしかわかりません。ハッピーエンドで満足感はあれど、宮沢賢治さながら「本当の幸い」ってなんだろうとも思います。いまを噛み締めろとも、身の丈に合わせろとも読める映画でした。
良い人代表(のはずの)ジェームズ・スチュアート。どれだけ有能で他人想いであっても、イライラが募るとモノにあたる人間というのは気持ちの良いものではない。ノリ切れなかったのはきっとそこです。