ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ココ・アヴァン・シャネル」

ココ・アヴァン・シャネル 特別版 [DVD]
仏/'09年製作/アンヌ・フォンティーヌ監督


フランスが誇るファッションデザイナー、ココ・シャネルの半生を描く。
貴族社会のなかで不器用にもがいたじゃじゃ馬娘の一代記といったところ。いまやシャネルといえば名門高級ブランドとして君臨していますが、そんな創業者も才能を華々しく開花させたのではなく貴族の慰み物に過ぎなかった身から自ら働くことで"自分自身"の存在理由を見出そうとした過程と結果がそこに繋がったんだという描き方。なので彼女の「作品へのアプローチ」には一切触れずあくまでアイデンティティの確立が主題。その点からすれば彼女のファッションが全世界を魅了した理由までは掘り下げられてなかったかなと。
オドレイ・トトゥは触れれば壊れそうな脆い世界に猪突猛進する変人役が似合う。まばたき機能が無いのかと思うぐらいの大きな目に圧倒。