ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「マイ・バック・ページ」

マイ・バック・ページ [DVD]
日本/'11年製作/山下敦弘監督


東大・安田講堂が陥落し全共闘運動の残り香漂うなかで、マスコミとして過激派に接触していく新人記者の物語。川本三郎のノンフィクション小説を映画化したものです。
後の時代に生まれた人間として、全共闘はまったく理解できないし、その時代性も分からずにいます。なので、この「終わった後」の方がまだ分かる。運動に参加しなかったことに後ろめたさを感じている主人公が、過激派に興味を惹かれるきっかけとなったのが、歌と宮沢賢治だったというのはさもありなんと思う。憧れが急速に自分に近寄り、自分自身の後悔を癒してくれたのではないでしょうか。
泣く男は嫌だという妻夫木聡に突っ込みを禁じ得なかったら、やはり泣くのね。