ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「前向き!タイモン」


日本/公演中(ソワレ)/ミクニヤナイハラプロジェクト(矢内原美邦作・演出)


御曹司タイモンとそのメイド、リンゴ農家の三人が来ることの無い幸せを夢見る。矢内原美邦による演劇企画の第五弾で、昨年度の岸田國士戯曲賞受賞作です。初観劇。
ミクニ版ゴド待ちか。超絶なスピードで捲くし立てる台詞はもはや「言葉」の枠を打ち破る。「柿喰う客」に似た方向性ながら、"演劇"というよりも"アート"といった方がしっくりきます。禁忌の種であるリンゴ。毒リンゴの毒は皮に塗ってあると考えるのが現実的で、その皮を剥くことを願いながらいつまで待っても剥かれることはない、というのは意味深長。それでもタイトルは「ポジティヴに考えろ」なんだから。いやはや疲れた。
タイモン役鈴木将一朗が、一言、凄い。いや、凄まじい。