ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「銀河鉄道の夜」


日本/公演中/大阪大学ロボット演劇プロジェクト×吉本興業(平田オリザ作・演出)


宮沢賢治銀河鉄道の夜」のカムパネルラをロボット(ロボビー)がロボット役として演じる意欲作。産業技術との連携を核にした大阪梅田に出来た劇場「ナレッジシアター」杮落とし公演です。阪大で教授を務める平田オリザと、日本のロボット界を牽引する同じく阪大教授の石黒浩、そして何故か吉本がタッグを組んで話題となりました。
近年積極的にロボット演劇を手がけるオリザは気になっていました。果たしてどれだけの「演技」をプログラミングで出来るのか、つまりオリザの演劇論の具体的提示という意味で。しかし今作の結論はあえて「配役ミス」とします。ロボビーという"役者"があのカムパネルラとは到底思えず。それはフォルムや声質、身体表現(=動作)から来る違和感でしたので、それは配役がはまらなかったという一点に尽きるかと。あと舞台美術の映像も説明過多でした。
ロボビーについては、以前に戯曲で読んだオリザのロボット演劇作品に登場したロボットよりも「演技」が出来ていなかった気がします。そちらは実際に観たわけではないので単純な比較はできませんが。そして銀河鉄道を彩る周りのキャラもあまり立たず。