ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「瀬戸内少年野球団」

日本/'84年製作/篠田正浩監督


敗戦直後の淡路島を舞台に、島に住む人間たちの戦争色がまだ色濃く残った生活を切りとる。
舞台設定が活きていると思います。色んな人間が文字通り流れ込んでくるのは離れ島だからこそ。少年たちと彼らに人としての尊厳を保ちながら育ってもらいたい女教師を中心に、大阪で一儲けしたやくざ者や戦犯処理前の提督など様々な人間の姿を通して戦後の混乱下での庶民の生活が見えてくる構成はわかりやすいし感情移入が容易。決して明るいばかりではないけれど「未来」がハッキリ感じられて好感がもてます。
主役の少年が今や関西小劇場の異端児「Piper」の山内圭哉だから面白い。顔変わりませんね。夏目雅子が非常に美しいし、郷ひろみもかっこいい。