ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

十二人の死にたい子どもたち

十二人の死にたい子どもたち
日本/’19年製作/堤幸彦監督


自殺志願の少年少女たちが集まる秘密の会合に、誰も知らない13人目が現れる。冲方丁の同名小説を映画化したものです。
いやそれはないだろうという突っ込みはひとまず置いておいて、ネタバレが過ぎる描き方に興醒め。ミステリーとしてもサスペンスとしても弱い。ただそれよりも、陪審員制度を舞台にした『十二人の怒れる男』や『12人の優しい日本人』を意識した設定であることは明らかで、人間ドラマとして死の評決を描けばそれでよかったのに、事件性に終始したことでテーマがぶれてしまったように思えてなりません。
名探偵は新田真剣佑。これだけ揃えたなら演劇でやればいいのに。