ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「野獣降臨」

日本/'82年公演/夢の遊眠社(野田秀樹作・演出)


"のけものきたりて"と読みます。野田秀樹率いる劇団「夢の遊眠社」の代表作であり、岸田國士戯曲賞受賞作。以前から観たかった作品でして、愛知芸術文化センターという所のライブラリーで観てきました。
肋骨が一本足りなくなる伝染病。半分は人間で半分は獣。エーテルの海を漂う十五少年漂流記の生き残り。アポロと月のウサギ。病気を調べる学者たち。望遠鏡と顕微鏡。宇宙と細菌、最近と古代。肉が爛れ落ちても骨は生きている。。。
内容は他の野田作品同様サッパリわからず。だけれど、彼の芝居は理解するのではなく雰囲気,世界に浸るもの。大きな舞台装置から溢れ来る人,人,人、小さな体から溢れ出す言葉,言葉,言葉。舞台上に宇宙の広がりを見てゾクッとしました。
主役、看板役者の上杉祥三、初めて観るも爽やかカッコイイ。華のある演技に思わずみとれてしまいました。羽場裕一浅野和之、目立つんだけれども誰かわからず。ロールで見て納得。段田安則田山涼成、20年以上前の芝居なのに現在と変わってないのに驚き。観てて安心感。円城寺あやの顔も覚えれて、全体的に満足。でもやっぱり野田秀樹がおいしいところを全部持っていってますが。彼の女形と頭の足りない男は天下一品!!