ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ツイキ/イクストラ」


日本/公演終了/劇団有馬九丁目(ar9作、岡崎マサフミ演出)


語られない本音が擬人化し暴れまわる街で、一人の冴えない青年が自分自身と向き合っていく。阪神間の学生演劇ネットワーク、通称「それかん」の有志が集まったプロデュース公演です。
若者の苦悩を等身大に描くこういった作品は他人の自慰行為を見ているようでどうも恥ずかしさを覚えます。「自分自身によって抑圧されている」という視点は過去使い古されており新鮮味は無く。いつでも出て行けるハズの"街"が象徴する"縛り"の中でもがく主人公、でも終盤にわりとあっけなく街を離れるのが肩透かしでした。ラストが前向きだったのは良かったです、好みという点で。
もっとスピード感が欲しい、のですが現代は疾走しなさそうだし逆にこれでいいのかしら。音量レベルを最大限まで上げると作品の持つ若さゆえの暴力的鋭さがより強調されるかと、音響が弱かったのが勿体ない。役者、司城大輔の存在感とかっこよさ。リズミカルな台詞回しのわりに役者陣全体的に声が飛ばなかったのが残念。