ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ウラノス」

日本/'08年公演/青山円劇カウンシル(前川知大作、青木豪演出)


裏庭に掘られた穴をめぐる日常の中のSF。今油の乗り始めている劇団「イキウメ」の前川と劇団「グリング」の青木がタッグを組んだ青山円形劇場ネルケプランニングの新プロジェクト「青山円劇カウンシル」での公演です。
星新一に同じ話があった気がしますが、内容も空気も以前観た前川作品らしい作品でした。いたって普通の日常に非日常が突如現れる、それに絡む少人数の人々。物語性を重視するならそれをどうするかどう対処し解決するかということになるのでしょうが、劇中では「受け入れるしかない」という前提があります。突飛な話なのにリアリティも感じられるのはそういうことなのかと。因果応報、不自然な存在にも自然の摂理は当てはまるのですね。
酒井美紀川村ゆきえという客寄せはひとまず置いといて、何といっても若手の存在感。「グリング」の中野英樹、「モダンスイマーズ」の津村知与支、「*pnish*」の土屋裕一、「イキウメ」の岩本幸子。そしてそれを大河内浩と今村朋彦のベテランがガッチリ脇を固める。小劇場界は熱い。