ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「エデンの東」

エデンの東 [DVD]
米/'55年製作/エリア・カザン監督


いつも"正しい"父親と兄、そして"ワル"の弟、互いを理解できずねたみとそねみが渦巻く家族の確執を描く。
旧約聖書の地球上初の兄弟殺し「カインとアベル」をモチーフにしており、劇中にも聖書の言葉がいくつか引用されています。カインとアベルでは兄カインが一方的に弟アベルに嫉妬し殺してしまうのですが、この作品では一方的じゃなく兄から弟の嫉妬があるならその時は弟から兄にだって嫉妬するだろうという描き方で、なるほど納得。「頼み」をすることが大事とありますが、信じているからこそ頼むわけで、それが「信頼」ですからね。「信頼」=「愛」ですか。
題名の「エデンの東」は弟を殺したカインが神に追放される場所。それを考えるとこの映画もかなり深い話だったりして。それにしても救いのある弟はいいけど、壊れた兄は可哀相すぎる。