ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「コンフィダント・絆」

日本/'07年公演/三谷幸喜作・演出


ゴーギャンゴッホ・スーラそしてシュフネッケル、4人の画家とひとりのモデルの物語。三谷幸喜だけれど喜劇ではない、淡い人間模様を描いた作品です。
現在では天才画家と称される面々を偉人としてではなく一人の人間として描く、というのはよくある手法ですが、等身大に描きながらも天才にみせるのが三谷手法。天才だって互いの女性関係は気になるし、仲間の言動に手を焼かされる。しかし嫉妬と虚栄心、優越感と憐れみにまみれた関係は友情とは言いがたい。でも互いが互いを認め合ってるからこそ、互いにないものを持ってるからこその関係。これはシュフネッケルだって例外ではない。あそこまで見せといてラストの幸福な冒頭を見せるのは酷と取るか救いと取るか、僕は後者です。
人物の書き分けが非常にうまい。アテ書きな部分も大きいとは思いますが、小さな台詞・動きにいたるまで各自の性格が出てたのにはもはや感動。生ピアノがにくい。