ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

記憶にございません!

記憶にございません!
日本/’19年製作/三谷幸喜監督


記憶喪失になった総理大臣がしがらみを断ち切り自らの信じる政治をすすめていく。
政界を舞台としつつホームドラマ的に描くのは三谷幸喜脚本によるテレビドラマ「総理と呼ばないで」と同じ手法。低支持率のダメ首相がその誠実さで変化を起こしていくという筋書きも同じで、おおむね既視感。言い逃れの常套句「記憶にございません」を盛大に茶化したタイトルどおりの、そしてタイトル以上のものは特にない設定頼りの作品なので、またテレビドラマとして連続ものにした方がよかったのでは。
とぼけつつ要所をおさえる中井貴一。それを喰おうとする草刈正雄