ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「returns」

日本/'09年公演/東京サンシャインボーイズ(三谷幸喜作・演出)


中学の同窓会という名目で集められたかつての同級生たち、しかし彼らを待ち受けていたのは「力を合わせて地球を守れ」という恩師の遺言だった。20年以上の歴史を誇る小劇場「新宿THEATER/TOPS」閉館にあたって、30年間の充電期間中であった三谷幸喜率いる人気劇団「東京サンシャインボーイズ」が限定復活を果たした作品です。
くだらない、いや誉め言葉ですが。短期間でつくった感満載でしたが、それでも三谷幸喜の看板は動じずその人物の描き分けはさすが。何より互いを知りつくした“劇団”という集団としての良さがストレートに出ていた作品でした。過去作品を知ってたらもっと面白いんだろうなと思う伏線もたくさん。内容よりも過程が大事な芝居なのはわかってるので、逆にくやしい。鴻上尚史『リレイヤー』と一緒に観たらある意味おもしろいかもです。
彼らが同じ劇団の一劇団員であったことへの再認識と驚き。西村雅彦と甲本雅裕を筆頭に、小林隆梶原善伊藤俊人といった名脇役相島一之阿南健治・宮地雅子・小原雅人といった気づく人は気づく面々、福島三郎という才能、近藤芳正・野仲イサオという豪華客演。ここに昔松重豊もいたかと思うと、もう。