ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「失われた時間を求めて」

日本/'08年公演/阿佐ヶ谷スパイダース(長塚圭史作・演出)


時の止まったかのような深夜、枯葉の積もった公園にいる人々を描く。長塚圭史率いるプロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」の最新公演です。「阿佐ヶ谷」は初見。
今まで何故か持っていた「阿佐ヶ谷」の芝居のイメージとは方向性がかなり違うことが判明。静かな演劇なのですね、知りませんでした。無音時の印象が非常に強い。舞台の周囲の溝のようなところに敷き詰められた枯葉のカサカサこすれる音、ガサガサ踏み鳴らされる音がハッキリと聞こえてきます。この枯葉、装置にも小道具にも登場人物の心理描写にも使われる重要なアイテム。それはそうと、あまりのめり込めず。
結局彼らが公園にいる間にどれだけの時間が流れたのか。時間とは主観的なものなのか、それとも客観的なものなのか。普段時間に縛られている側(観客)からすると、その問い掛けは少し怖ろしい。