「アジアの女」
日本/'06年公演/長塚圭史作・演出
未曾有の大震災が起こった近未来の日本を舞台に、倒壊しかけの家で暮らす兄妹とその周りの人々との関わり合いを描く。ユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」主宰の長塚圭史による書き下ろし作品です。
やっぱりの静かな演劇。でも岩松了や近藤芳正、峯村リエなどアクの強い役者たちの演技に支えられたこの芝居は、先日観た『失われた時間を求めて』*1より観やすかったです。両側に観客のいる2面舞台はさぞ演じづらかろう。近未来設定ながらあくまでリアリティにこだわった内容。突如どん底に陥れるラストの後に、誰もいない舞台上でわずかな希望を描き出すその見せ方は好き。でも安易な理想論のようでどうも釈然としないのです。
題名でミスしてます。この「アジアの女」という題名は劇中でもかなり重要な台詞であるのに、いまいちピンとこない。長塚圭史は自分とは合わないのかしらん。