ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

セールスマンの死

日本/'18年公演/KAAT神奈川芸術劇場アーサー・ミラー作、長塚圭史演出)


家族を持ち、セールスマンとして生きた男の希望と絶望を描く。アメリカの劇作家ミラーの代表作です。
手に職があるわけでない根無し草だからこそ、何か自分がそこに生きたという動かしがたい意味を持ちたかったのでしょう。彼が唯一「生産」した息子に期待をかけるあまり、個として認めてほしかった息子は潰れてしまう。誰も悪人がいないからこそ非情で苦しい作品でした。
風間杜夫の圧倒的存在感。