「あんなに優しかったゴーリキー」
京都を拠点に活動する劇団「ヨーロッパ企画」(以下「ヨロ企」)、とは団体的には"全く"関係のない京都大学学園祭にのみ出現する謎の劇団「ヨーロッパ仁鶴」の第8回公演*1。「ヨロ企」の前公演『あんなに優しかったゴーレム』*2を念頭に踏まえ、チェーホフの『かもめ』(未見)とゴーリキーの『どん底』(未見)を下敷きに、劇団「少年」の延命聡子が書き下ろした「ヨロ企」への愛に溢れたパロディものです。初見。
役者が"「ヨロ企」メンバーが演じる役"役をこなし、「ヨロ企」ぽい雰囲気で「ヨロ企」ぽい展開で「ヨロ企」ぽいシチュエーション・コメディをするという、一歩間違えれば学祭のオチャラケで終わりそうなものを真剣に一演劇として成立させているのがすごい。何より面白いですし。しかも個々人、顔は似ていないのに台詞回しや細かいしぐさがかなり似ていて、もう「ヨロ企」ファンにはたまらない。ただ「石田」役→「永野」、「永野」役→「瀬戸中」、「諏訪」(小さい方)役→「石田」、「瀬戸中」役→「玉田」、「清水」役→「西村」だと思ってたためカーテンコールで「あれ?」となりましたが。他の人はマジそっくりで一発でわかりました。
ただ『どん底』はいいけれど『かもめ』は必要あったのかしら。あまり話の本筋として活かせてなかったのでは。いや、でもむちゃくちゃ面白かったです。来年も観たい…!