アニメ「迷宮物語」
SF作家の眉村卓の短編を、りんたろう、川尻善昭、大友克洋といった現在トップクリエイターとして活躍しているアニメ監督たちが映像化したオムニバス形式の映画*1。作品完成と同時に東京国際ファンタスティック映画祭'87で先行上映され、その後諸事情によりオリジナルビデオとしてまず発売、2年後の'89年に劇場公開されました。
監督別にみれば、りんたろうの作品が一番よかったです。イマジネーション豊かで動きもスムーズ、20年前のアニメだとは思えない出来栄え。強いて言えば実験的すぎたか。川尻善昭は、アメリカンコミックを思い起こさせる濃い絵+ハードボイルドタッチで、彼らしい作品になってはいましたが、ちょっとレースシーンなんかが古臭く感じました。製作前の段階では、押井守が監督する予定だったとか。大友克洋は、もう観た瞬間から「あ、大友だ!」と思う絵でした。そして原作付とは思えないくらい内容も大友してましたね。機械の暴走や混沌とした街、救いようのない話をコメディにしてしまう作家性といったその後の大友作品に通ずる所も多々あって、ニヤリ。