ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ドライビング・ミス・デイジー」

日本/'05年公演/劇団民藝無名塾アルフレッド・ウーリー作、丹野郁弓演出)


原作の舞台は'87年のピューリッツァー賞を受賞、'89年に製作された映画版はアカデミー賞に輝いた名作。それの日本版です。元が舞台だったなんて知りませんでした。劇団民藝無名塾といった日本を代表する劇団が、主演に奈良岡朋子仲代達矢という豪華キャストで贈る至極の一品です。
ストーリーは映画版とほぼ同じでした。ひとつだけ、黒人の運転手ホークのキャラクターがモーガン・フリーマンの演じていたそれよりも、なんというか軽かったです。お調子者とまではいかないけれど、寡黙で真面目というイメージだったので。でもそんなとぼけた感じもGOODでした。奈良岡朋子は絶品。彼女の演技は心からスゴイと思いました。息子はちょっとオーバーだったけど、アメリカ人ぽくて良し(笑)
重要な小道具であり舞台である自動車をどう表現するのか興味があったのですが、なるほど、ああやってやるのか。当たり前の見せ方なのかは知りませんが、私にはコロンブスの卵でした。
キツくて照れ屋な性格のおばあさんが、今まで悪態ばかりついていたホークに「あなたは親友よ」と本音を言うシーンに感動しました。年をとると人間は弱くなるんですね。そんなとき傍に良い人がいるというのは幸せです。