ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「贋作者」


日本/公演中(再演)/劇団千年王國(橋口幸絵作・演出)


明治維新明けの日本、廃れていく日本画壇に喧嘩を売るかのごとき贋作製作者と古典の継承者、ふたりの兄弟の"ホンモノとニセモノ"への葛藤を描く。札幌で人気上昇中の若手劇団「劇団千年王國」による再演で昨年の札幌舞台芸術賞演劇大賞受賞作の大阪公演です。10周年だそうで。初観劇。
非常に高かった前評判に期待は否応なしに高まりワクワクして観に行ったのですが、いやはや満足です。役者の力量もさることながら舞台美術のかっこよさにホレボレ。赤格子がくるくる。ケレン味たっぷりの演出に眼福でした。照明がまたかっこいい。青の裏打ちや影から登場する役者に横や斜め打ち多用なんて、もはや卑怯です。音響が残念だったのが勿体ない。音ひとつでもっと良くなるかと。あと全体として期待の範囲内で、全く裏切ってくれなかったことが残念でした。
主役、客演の立川佳吾はかっこよかったけど線が細かった。北村有起哉まで近づければ強いか。声は榮田佳子と客演の重堂元樹がよかったです。梅津学も良い声、彼も客演。客演が光っていた舞台でしたね。