ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「不倫探偵〜最期の過ち〜」

日本/'15年公演/日本総合悲劇協会(天久聖一松尾スズキ作・演出)


人妻にしか興味を持てない探偵とかつての同僚の女刑事が、首なし死体の事件の謎を追う。松尾スズキによる企画ユニット11年ぶりの公演です。
『ふくすけ』や『ドライブイン・カリフォルニア』などの傑作を世に出した通称ニッソーヒの新作は、肩の力の抜けるものでした。松尾の悪意渦巻くストーリーに天久のシュールなギャグを足して、ハードボイルドタッチに仕上げ。松尾の描く人間はいつでも弱く、狂気をはらみ、そして優しい。家族の罪は自分にとっての何なのか、ぼんやり考えながら、笑い転げました。
松尾スズキ主演作。いつもながら人外の動きをする。平岩紙の不思議な可愛さはどこから。濃いメンバーの中での二階堂ふみにもう少しクセが欲しくなるのは酷かしら。