ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ファンキー!宇宙は見える所までしかない」

日本/'96年公演/大人計画(松尾スズキ作・演出)


とある田舎町で起こる事件と人間模様を描く。松尾スズキ岸田國士戯曲賞を受賞した作品です。
ここまでストレート(ボクシング的な意味で)に障害者を描いた作品があっただろうか。松尾スズキの舞台において差別的な表現はあっても、生身の人間として健常者と障害者の区別はないのです。誰もが何か欠けている、まるでそれが人間だと言わんばかりに。どんなセンセーショナルでショッキングなことがあっても舞台上で人はこう言い放つ。「なんてファンキーなんだろう!」。これは全ての人間への賛歌の芝居なのだと思います。