「細雪」
日本/'83年製作/市川崑監督
大阪船場の旧家を背負って生きる四姉妹の悲喜交々。谷崎潤一郎の同名小説の3度目の映画化です。
「家」のしきたりの下で縛られたり反抗したり。姉妹は他人であって理解できない言動は多々あれど、それでいて血は繋がっているから分かり合える。まったくの他人である二人の婿養子が環境に変革をもたらしたり、間を取り持ってバランスを維持したりするのもまた「家」制度に生じてきた変異のひとつに過ぎず、様々な形で対応しながら日本の「家族」は構成されてきたのだと思うのです。
時代を代表する役者が演じるという四姉妹に岸惠子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子。婿養子が伊丹十三に石坂浩二。誰を観ていても観られる。