ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「本の虫」


日本/公演中/牛乳地獄exact.(桐原工務店作・演出)


かつては作家を目指しつつも諦めた活字中毒の女性を主人公にした演劇作品を書いている劇作家の本番前日を描く。先日には関西公演も行った名古屋の若手劇団「牛乳地獄」の番外公演だとか。
劇団の主宰で作演を担う桐原工務店(個人名!)による自伝的フィクション作品。劇中で語られる御年28歳の劇作家の悩みを立体化したのであろう物語は、演劇に従事する生活を変えるライフ・ポイントの影を感じている自分自身を鼓舞したかったのでしょうか。こういう個人的な芝居をするために集まる人々が居て、武器としている表現方法を活用出来ている、ということは何よりも得難いものだと思うのですが。
佐野かおる、役を演じているときよりも素を演じているときの方が魅力的でした。桐原役を桐原自身が演じたことに対する吉兆は難しいところ。