ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「茨姫」


日本/公演中/地点(水都サリホ作、三浦基演出)


冬虫夏草病に侵され、病室で寝たきりの女の夢の中。愛知県芸術劇場主催のAAF戯曲賞受賞作を「地点」が上演した作品です。
公演までの期間に、AAFの特徴である「受賞作の上演を前提とした戯曲賞」とは何か、を盛んに取り上げ。三浦演出により、戯曲はテキストとして、バラバラになった台詞が再構築される。上演を「受賞のお披露目」としていないところに気概を感じます。病室と水族館と夢の中とが同時に描き出される妙に酔いながら、果たして観客は演劇を観ているのか、はたまた夢を見ているのかに悩む。
安部聡子の不透明感。地点の役者の身体能力の高さと、その声のとおりの良さに改めて認識しました。