ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「或阿呆の青春」


日本/公演中/妄烈キネマレコード(西尾武作・演出)


幼少期に憧れたヒーローになる夢を捨てきれない青年が、社会の混乱を招く悪と戦う組織と出会い「正義」とは何かを問うていく。名古屋の劇団「妄烈キネマレコード」最新作です。
演技力のあるお遊戯会かと。大仰な組織が出てきながらも町内会レベルで話は進み、ブラック企業はびこる現代に斬り込む体の物語は表層を滑る固定観念の産物に過ぎず、この作品が等身大の訴えであったとは到底思えません。お昼の再放送の2時間ドラマの焼き直しではなく、20代の表現者としての叫びを聞きたかったです。
芝原啓成のキラキラした目とカズ祥の色気ある立ち姿に見惚れる。内山ネコは今回も柔軟で良し。